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机上査定と訪問査定の違い
不動産の売却では、取引完了までの流れの中で、〈査定価格⇒販売価格⇒成約価格〉という順番で、3つの価格が変遷していきます。つまり「査定価格」は全てのスタートで、その後の価格設定の元になるものです。
◎不動産の主な査定方法は2つ
不動産の価格査定には、2つの方法があります。「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定(詳細査定)」です。それぞれどういうものなのか見ていきましょう。
【簡易査定(机上査定)】
「簡易査定」とは、不動産の外面的な数値やデータから査定額を出す方法です。現地や現物を確認せず、机上のデータのみで査定することから、机上査定とも呼ばれます。査定の依頼は、電話、メール、Webサイト上の無料査定サービスで行えます。簡易査定では、主に以下のような情報を伝えます。
・物件種別(一戸建て・マンション・土地など)
・所在地
・土地・建物面積
・築年数 など
これらの情報を元に類似物件の取引事例、公示地価などに照らして査定価格を算出します。基本データのみで簡易的に算出するため、結果が出るまでに時間を要しません。
【訪問査定(詳細査定)】
実際に現地を訪問し、細かい調査をするのが訪問査定です。簡易査定で使われたデータに加え、以下のような項目を確認・調査します。
・土地の形状、地勢、接道状況
・上下水道・電気・ガス、通信などの整備状況
・物件の外観・室内の状態
・隣接する土地との境界線
・建物以外の外構や付帯設備の状況
・改修や修繕の履歴
・周辺環境
訪問査定用の物件調査表に沿って詳細な項目をチェックしていきます。法令上の制限なども確認していきます。その際に、物件の登記簿謄本、公図などの各種図面、権利証などが必要になります。なお、訪問査定についても正式に仲介を依頼する前段階の工程のため、基本的には無料です。
◎2つの査定方法の使い分け
2つの査定方法を比べると、当然簡易査定よりも訪問査定の方が査定精度は高いです。しかし、それぞれに使い方、タイミングがあるので、一概にどちらがよいというものではありません。簡易査定は「いくらくらいで売れるのか」を把握し、大体の価格の見通しを立てるために利用することをおすすめします。
訪問査定は、より現実的に売却を考えるタイミングで依頼すると良いでしょう。さらに精緻な査定が行われるので、実際の販売開始価格を決めるための参考基準になります。
最低限の情報があれば、いつでも簡単に査定価格を知ることができるのは大きなメリットです。長くても3日程度で査定価格をお知らせできます。
簡易査定で算出される価格はあくまでも参考情報です。ですが、売るにしても、相続するにしても前段の情報としては有用でしょう。
監修者情報
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株式会社チームニッコークリエイティブ
松戸不動産情報館代表 稲葉 昇久