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相続登記って
相続登記について
◆「相続登記」とはそもそもなにか
土地・建物・マンションなどの所有者(被相続人)が亡くなった際に、不動産を引継いだ方(相続人)の名義に変える手続きのことです。
名義を変更するには、
①相続の発生(所有者が亡くなる)
②遺産分割協議(遺言書の有無による)
③相続登記に必要な書類を揃えて、法務局に提出
④相続登記完了
という流れになります。
この申請で、所有権(所有物を自由に処分できる権利)が相続人のものとなり、名義も変更されることとなります。所有権の移転には、ほかにも売買などの原因がありますが、亡くなった方から相続により名義変更することを、「相続登記」と呼びます。
◆相続登記を放置していると、どうなるか?
相続登記をせず放置している時にその不動産を売りたいとなった場合、名義を売る方(相続人)の名義に変更していなければなりません。この時、相続人、あるいは相続人の一人(数人で不動産を相続した場合など)がたとえば認知症になったとしたら、有効に遺産分割協議が進まないなどして相続登記(名義の変更)ができないことも有り得ます。
また、相続人同士でもめ事が起きたり、連絡先がわからなくなることもあり、いざ名義変更が必要なときに申請ができない、というケースもよくあります。
このほか、放置している間に相続人が亡くなり、代襲相続(相続人の子供が代わりに相続する)が発生してさらに話し合いが難しくなる、などということもあり、
相続が発生した場合は、相続登記をきちんとしておいた方がいいというのが前提ですが、これまでは義務化がされておらず、面倒な手続きや費用の面から放置してしまう場合が多々ありました。結果所有者の分からない土地や、所有者と連絡がつかない土地が増えたことで、維持管理や税金の面で役所が把握できず、公共事業や災害復旧の工事、民間取引の大きな妨げとなることが問題となっていました。
◆相続登記の義務化
相続登記が義務化(令和6年4月1日)されるとどうなるのでしょう。
民法と不動産登記法等の改正により、令和6年4月1日より、相続登記が義務化されます。背景には所有者不明の土地問題の急増があり、日本全土の土地のうち、20%ほどの土地が不動産登記簿上で所有者がわからないという調査結果が出ています。
参考URL
所有者不明土地を取り巻く 状況と課題について | 国土交通省
相続が開始(不動産の所有者が亡くなった場合)し、
相続などにより不動産の所有権を取得した相続人は、
その申請を、【相続が開始されたことを知り、所有権を取得したことを知った日
(遺産分割協議がある場合、協議の日)から
3年以内に、
前述の相続登記をすることが必要となります。
正当な理由がない申請漏れには、10万円の過料の罰則もあります。
過去の相続にも適用されますので、注意が必要です。
【※】
改正された後は、例えば相続人1人の所有にしたいとき、その相続人単独での登記申請を可能にする、添付書面の簡略化、相続登記が必要な不動産の一覧を、証明書として発行してもらえるなど、手続的な負担が軽減される予定です。
◆その他関連の改正について
令和6年4月1日に「相続登記の申請が義務化」されますが、その前に、
①「長期間経過後の遺産分割の見直し」などが令和5年4月1日に、
②「相続した土地を国庫に帰属させることができる制度」が令和5年4月28日に施行されました。
その他、登記してある住所を変更した場合の変更申請についても、義務化が予定されています。
②の国庫帰属については、特に地方など、土地の利用ニーズの低下などにより、土地を相続したものの、土地を相続したくない、手放したいと考える方が増加していることが背景となっています。
ただし、一定の要件を満たした土地のみがこの制度の要件となります。現在の法律では、土地だけを相続放棄することはできませんが、この制度により不要な土地だけを手放しほかの遺産は相続することができるようになるので、とてもメリットがある改正だと思います。
相続が過去にあったものの、現在放置している方、手放したい不動産がある方、相続人同士で「法の改正があるらしい」ということを念頭に置き、少しずつでも話し合いをすすめておくことを、お勧めいたします。
監修者情報
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株式会社チームニッコークリエイティブ
松戸不動産情報館代表 稲葉 昇久