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「囲い込み」って?
囲い込みとは?
「囲い込み」
一般的にはあまり聞き馴染みがない言葉ではないでしょうか。
不動産における囲い込みとは、売主様から売却依頼を受けた物件を自社だけで取引したいがために、他社から問合せがあっても「契約予定などの嘘の情報」を伝えて他社経由のお客様に紹介できないようにする行為です。
一時期テレビやニュースで取り上げられたもののやはり一般の方にはあまり周知されていないようです。
今回はそんな「囲い込み」についてのお話です。
通常の取引では、専属専任媒介契約か専任媒介解約の場合、売主から不動産売却を依頼された不動産会社はレインズ:不動産流通機構に物件を掲載します。レインズは不動産会社であれば閲覧でき、買主側不動産会社はレインズの情報を基に物件を紹介をして成約を目指します。その為、レインズに掲載することで、日本中の不動産会社が抱える買主へ情報を届けることができるのです。
■囲い込みの手口
買主側不動産会社がレインズ上で自社の買主様の条件と合致する物件を見つけ、売主側不動産会社に対して自社顧客へ紹介可能か打診をします。契約予定など紹介できない事情がなければ、通常は日程を調整して内覧の日程を決めますが、囲い込みをしている売主側不動産会社は、
「契約予定なのでご紹介できません」
「売主様からまだ鍵を預かってないので、まだ内覧できません」
などの理由で他社経由のお客様が内覧できないようにします。
そして、これは、嘘の場合もあるかもしれないのです。
■なぜ囲い込みをするのか
囲い込みをする不動産会社の目的は、売主と買主双方から仲介手数料をもらう「両手取引」です。他社の不動産会社が入った取引になると、売主からしか仲介手数料がもらえない「片手取引」になるので他社の不動産会社をブロックして自社で買主を見つけます。
囲い込みをすることによって、他の不動産会社経由で興味を持った購入希望者全てが内覧できない状況になります。その為、購入希望者の絶対数が減りその分時間もかかり、早期売却が叶わない可能性が出てくるのです。また本来売れるはずの金額で売れなくなる場合もあり、売主様は不当に不利益を被ることになります。
まとめ
囲い込みは、売主様の利益を損なう行為で、売主様にとって大きなリスクがあります。不動産会社としては宅建業法には明確には違反しないと言われていますが、例えば嘘をついて内覧を拒否したとすれば、宅建業法31条1項「宅地建物取引業者は、取引の関係者に対し、信義を旨とし、誠実にその業務を行なわなければならない」という、民法1条2項の信義誠実の原則に反しているとも考えられます。職業倫理に悖る行為であり、行政罰や刑事や民事で責任を問われる可能性もあるのです。
ほとんどの不動産会社は善良に仕事をしていますが、「囲い込み」と思われる行為は暗に継続しているのが現実です。
「囲い込み」がおこなわれている場合、一般の売主様が気づくことはなかなか難しい※ため、売主、買主、両者の間に立って、誠実な仕事をする会社や担当者を見極めることが大切です。
※売主様がレインズへの登録状況の確認をすることができます
参考:売却依頼物件のレインズ登録内容が確認できます
監修者情報
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株式会社チームニッコークリエイティブ
松戸不動産情報館代表 稲葉 昇久