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任意売却の進め方
任意売却の進め方
以前の記事、任意売却とは?住宅ローンの返済が苦しくなったらでは、任意売却のメリットについてお話しました。
任意売却は通常の不動産売却とは異なるため、どのように進めればよいかわからないという方もいらっしゃるか思います。一般の不動産市場で売却を行うため、売却自体の準備や進め方は普通の売却と同じですが、準備と売却後の手続きに違いがあります。
本記事では、任意売却の流れ、着手前にやるべきことについて解説します。
【任意売却のスケジュール】
(1)現状の把握と書類の準備(本人)
任意売却を検討する際、最初にやるべきことは、自分の現状を把握することです。
まずは、現在のローンの状況を正確に把握しましょう。滞納が始まっているかどうかも重要です。この点が不明だと、任意売却できる期間がどの程度残されているかわかりません。金融機関からの督促状などがあれば、一番最近届いたものを取っておきましょう。
また、建物や土地の状態がわかる書類があれば、こちらも用意しておいてください。不動産を購入した時の書類があると一番良いでしょう。図面や土地の測量図、建築確認済書などがないか探してみましょう。このような書類は、不動産会社に相談する際にも役立ちます。
(2)不動産会社への連絡と初回相談(本人)
現状把握を開始したら並行して、任意売却を依頼する不動産会社探しを進めます。任意売却を専門とする業者もあります。
(3)自宅の査定(不動産会社)
自宅にどの程度の価値があり、いくらで売れそうかを確認します。より正確な査定価格を算出するために、現地での訪問査定が行われる場合は、所有者の方の立ち合いが必要となります。
(4)債権者との交渉(不動産会社)
査定価格が算出できたら、査定結果を携えて債権者と交渉を行います。債権者が誰になるのかはタイミングによって異なりますが、多くの場合、保証会社か債権回収会社(サービサー)となり、税金の滞納があれば自治体の税務担当者です。
交渉では、任意売却を行うことで競売より高く売れる可能性があり、債権者の回収額も増えることなどを説明し、任意売却の許可を得ることを目指します。債権者が複数存在する場合などは利害関係が複雑化して交渉の難度も上がります。
※売出価格は、査定書の内容を踏まえ、債権者側が売出価格を指定する場合が大半です。
(5)売却活動を行う(不動産会社)
任意売却の許可を得られたら、売却活動が始まります。通常の売却と同様に一般市場で行われます。最終的には任意売却である旨を購入希望者に伝えますが、任意売却であるという事実がサイトなどで公開されることはありません。そのため、競売とは異なり、経済状況が悪化したために売却することを他人に知られる心配はありません。
(6)内見対応
購入希望者が現れたら、次は内見です。内見の結果は購入を決める重要な要素なので、購入希望者が家の中を気持ちよく見学できるよう、各部屋の片づけや整頓をしておきましょう。この時点で引越しが決まっているのであれば、荷物の処分や整理を先行して進めておくとよいでしょう。
(7)契約締結・決済
内見の結果、購入の申込が入ると、売買契約の締結に移ります。当事者間で価格の合意ができれば、債権者と再度協議して、売却価格と配分案(売却代金の内訳)と抵当権の解除に対する最終的な合意を取ります。
通常の売買では、契約締結の時点で手付金が発生しますが、任意売却では手付金なしかまたは不動産会社の預かりとすることが多いです。
債権者の合意が取れ、代金の決済が完了すると、所有権の移転と抵当権の解除を行い、正式に引渡しとなります。
(8)残債処理
任意売却は、オーバーローン状態、不動産の担保価値よりもローンの残債が高い状態での売却なので、ほとんどのケースで残債が発生します。そのため、残債をどのように処理するかも重要です。少額ずつの分割払いなど、経済状況に応じて無理のない処理方法を検討するとよいでしょう。
ここまで来て、無事に任意売却完了となります。任意売却は、債務者が少しでも良い状態で新しい生活をスタートさせることが目的です。ここで述べたように、任意売却できる時間は限られています、ローンの返済が不安になったら、すぐに金融機関に相談することが大切です。
監修者情報
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株式会社チームニッコークリエイティブ
松戸不動産情報館代表 稲葉 昇久