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公示価格とは
公示価格について解説
公示価格(公示地価)は、国土交通省が公示している土地の価格です。土地価格の動向を示す重要な指標ですが、実勢価格(実際の取引価格)とはどう違うのでしょうか。特に土地を売買する予定がある人は、公示価格について理解しておくことが大切です。
この記事では、公示価格の概要や調べ方、活用する際の注意点について解説します。
公示価格とは
公示価格(公示地価)とは、適正な地価の形成のため、国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公示する標準地の価格のことです。
地価公示法に基づいて、全国の分科会に属する鑑定評価員(不動産鑑定士)が毎年1月1日時点の1㎡あたりの正常な価格を判定しています。令和5年地価公示では、全国約26,000地点で実施されました。
公示価格は、一般の土地取引に対して指標を与えるもので、不動産鑑定や公共事業用地の取得価格算定の規準となります。また、土地の相続税評価や固定資産税評価の基準としても活用されます。
◇公示価格を調べる方法
公示価格は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」で調べることができます。地域や用途、調査年などの条件を指定すると、一覧で表示される仕組みになっています。一覧の中から対象の土地をクリックすると地図表示され、場所の確認なども可能です。
参考:不動産情報ライブラリ→国土交通省地価公示・都道府県地価調査の検索
公示価格と他の指標との違い
土地の価格に関する指標はいくつか存在し、「一物五価」などと言われることもあります。具体的には、「公示価格(公示地価)」「実勢価格」「基準地価」「路線価」「固定資産税評価額」の5つです。公示価格とそれぞれの違いを説明します。
◇実勢価格との違い
実勢価格とは、実際に取引された価格を言います。土地の価格は需要や立地、周辺環境、当事者間の事情や価格交渉などの影響を受けて変動するものであり、同じ地域にある土地であっても、公示価格と実勢価格は一致しません。
公示価格と実際に取引される土地価格は異なることがあることを理解しておきましょう。
◇基準地価との違い
基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県知事が毎年7月1日時点における標準価格を判定する土地価格です。適正な地価の形成を目的として毎年9月頃に公表されます。令和5年の基準地数は約21,000地点です。
基準日、公表時期、調査主体や根拠となる法律も、公示価格とは違います。
公示価格は1月1日時点、基準地価は7月1日時点と、基準とする日が違うため、基準地価は公示価格を補完する指標として活用されることもあります。
◇路線価との違い
路線価とは、相続税や贈与税における評価額の基準となる土地の価格です。その土地が面している路線(道路)ごとに評価した、1㎡あたりの土地価格のことを言います。毎年1月1日を時点として、国税庁がその年の7月に評価額を公開しています。公示価格の80%程度が目安と言われます。
路線価は、国税庁の「路線価図・評価倍率表」で確認できます。
参考:国税庁「路線価図・評価倍率表」
◇固定資産税評価額との違い
固定資産税評価額とは、固定資産税を計算する際の基準となる価格です。市町村の固定資産台帳に記載された土地の評価額を意味し、3年に1回「評価替え」が行われます。宅地については、公示価格の70%程度が目安です。
固定資産税評価額は、市町村から送付される固定資産税の納税通知書で確認できます。また、固定資産評価証明書の発行や固定資産台帳の閲覧を自治体の担当部署に依頼し、確認することも可能です。
公示価格は、国土交通省が毎年公示していることから、信用度の高い評価といえます。ただし公示価格と実勢価格は必ず一致するものではないので、実際に土地を売買する際は、公示価格だけでなく、基準地価や査定価格なども確認した上で判断すると良いでしょう。
監修者情報
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株式会社チームニッコークリエイティブ
松戸不動産情報館代表 稲葉 昇久